甲冑が浮遊する場所 人を象った輪郭だけ 確かにそこにいた気配 人を物語る残骸だけ 何かを感じさせる臭気 形骸が私を呼びとめる 雑踏の中で 魂のない輪郭が 急ぎ足で駆けていく 私を呼びとめたのは 私自身ではなかったか