萌芽の風景 地面を突き破って 萌えだしたざわめきが ぼくのいじけた気持ちに問いかけた 古樹から伸びた 若鹿の脚の如き新枝が 軽々とぼくの身体を持ちあげた ぼくの知らないところで こんなにも新しい命が芽吹いていて ああ ぼくも背中を押されて 駆け出していく 鳥のさえずりを聞きながら