2008.06.02
版画家として成功した後も小説家として活躍した故池田満寿夫。陶芸も制作して晩年はマルチアーテイストとして旺盛な創作意欲を見せていました。音楽家の佐藤陽子と熱海に住んでいたことは当時のテレビ等で知っていましたが、今日はその「創作の家」を見てきました。熱海駅より坂を登ること10分。目指す家は小高い丘の上にありました。玄関前に立つと左手に丹精こめた庭があり、家の中は2人が日常生活を過ごしていた気配を感じることができました。調度品は海外で収集した大きなソファやステンドグラスで、ダイニングも人を招く目的があったのか、かなり大きめなテーブルや椅子がありました。アトリエには絶作の油絵が立て掛けてあり、リアルな空気が伝わってきました。自宅を公開するというのは個人美術館や記念館とは異なり、当時のナマな生活が垣間見えて何ともいえない気持ちになります。マテイスが晩年住んだ南仏のような気分で、池田満寿夫はこの熱海に住んだのではないかと思いました。 Yutaka Aihara.com