2012.05.09
先日、横浜美術館で開催中の「マックス・エルンスト展」に行ってきました。シュルレアリスムの主流な芸術家の一人であるドイツ人画家マックス・エルンストは、画風がシュルレアリスムであるなしに関わらず、自分はその構成感覚が大好きなのです。とくにデカルコマニーを多用して森を表現したシリーズに惹かれています。画面中央にどっしりした物体があり、それが何か説明のつかない異様さを持って迫ってくるようです。フロッタージュの効果を利用した絵にも自分の想像が刺激されていくのを感じます。画面の中に自分だけの発見があり、自分だけのイメージを持つことが許される世界だと思います。鑑賞者によって感じ方がそれぞれ異なり、また自分の中でもその時その時によって印象が変わっていくのがエルンストの世界と認識しています。モダンテクニックを駆使した奇妙なカタチが、何かあるものを暗示し、謎解きのような遊びに浸れるのもエルンストの世界です。ここで1点1点の作品の感想を書きたいのですが、紙面の都合で今回は全体の印象に留めます。次の機会に、自分にとって印象深かった作品を取り上げてみたいと思います。