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映画「グリーンブック」雑感
昨日のNOTE(ブログ)に続き、今回も映画の話題です。大型連休中に観た映画で、常連の横浜のミニシアターにおいて連日チケットが完売していた映画がありました。私も最初に行った日は観られず、翌日に漸く観ることが出来た映画で、観終わった後で、この作品が今年度のアカデミー作品賞に輝いた理由が分かりました。映画のタイトルは「グリーンブック」。「グリーンブック」とは1960年代のアメリカ南部を旅行する黒人必携のガイドブックのことで、黒人に対する人種差別が合法的に行われていた時代に登場した書籍です。映画は実在した人物の実話を基に描いていて、黒人天才ピアニストであったドナルド・ウォルブリッジ・シャーリーは18歳でボストン・ポップス・オーケストラでデビューし、、心理学、典礼芸術の博士号を取得していました。もう一人のイタリア系アメリカ人トニー・バレロンガはナイトクラブに用心棒として勤める、腕っぷしが強くハッタリもきく人物でした。このピアニストと雇われ運転手が差別の色濃い南部へコンサートツアーに出かけるロード・ムービーが「グリーンブック」の中核となる物語です。図録には「ヤクザなトニーは当時の白人労働者階級らしく、黒人に対する偏見に満ちている。ヨーロッパの洗練を身につけたドンは黒人のソウル・フードであるフライド・チキンも食べたことがない。この水と油の2人の珍道中が楽しくおかしい。」(町山智浩著)とありました。やがてトニーはドンの音楽に惹かれ、ドンはトニーの問題解決力を頼りにする親密な関係を築いていきました。映画全編を通して人種差別という大きな社会問題が浮き彫りになっていくように、映画では演出されていましたが、この作品がアカデミー作品賞を取ったり、大勢の観客が押しかけるのは、この差別というテーマが現代も問題として残っていることを意味しているのではないかと私は考えます。「現在、トランプ政権によって人種間の分断が進み、ヘイトクライムや、警官による黒人への暴力事件が増加している。『グリーンブック』が描く、人種を超えた相互理解の大切さは今も変わらない。映画の最後に、本物のトニーとドンの生涯変わらぬ友情の証を見たとき、人はあふれる涙をおさえることができないだろう。」(町山智浩著)と図録は結んでいました。まさにその通りだと私も感じます。