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「ヴァイマルのバウハウス 飛躍から閉鎖まで」のまとめ②
「バウハウス-歴史と理念」(利光功著 株マイブックサービス)の「第四章 ヴァイマルのバウハウス その三 飛躍から閉鎖まで」の後半部分をまとめます。ここでモホリ=ナギがバウハウスに雇われます。「当時モホリ=ナギは構成主義の画家とみられていたが、すでに彼独自の造形思想を抱いていた。内的関係を明らかにする抽象絵画を志向した点ではカンディンスキーと共通していたが、カンディンスキーには詩的形而上学的な態度がみられるのに対し、モホリ=ナギは合理的化学的な意図を基にしていた。モホリ=ナギによれば『色彩の生物学的機能、その精神物理学的作用はまだ研究されていない。しかし一つのことは確かである。色彩を甘受すること、色彩を獲得することは、人間の基本的生物学的必然である。我々はすべての人間にとって共通の、我々の生理的器官によって規定された色彩・明暗・形態・位置・方向の相互関係と緊張関係が成立するということを、認めなければならない。』そしてこの相互関係と緊張関係を利用し作り出し伝達することから絶対絵画の概念が生ずると言うのである。」やっとバウハウスが軌道に乗りかけた時期に暗雲が垂れ込め、やがてバウハウスに対する弾圧が始まるのでした。その非難を摘記するならば「グロピウスは新しくもないしまた現実的ですらない。哲学の名に価しない抽象的神秘的な芸術把握によって全く現実を逸脱していることこそ問題であり、こういう抽象的芸術作業の結果は悲しむべきものがある。材料が適正で精神的内容のある必要に適った芸術の代りに、構成とか習作と呼ぶ、練炭・靴下留め・古びた椅子・空罐のような雑多な『材料』からなる素人の手細工、未来派の展覧会で十年前から嘲笑われている無内容のなぐり書きに出会う。」という芸術観の相違による見解が寄せられていたのでした。また会計面でも難しい面がありました。「会計記録に種々の不備な点があり、財政上も危険な状態にあることが指摘された。これは結局バウハウスが本来国立の学校として公共の教育事業体であるのに加えて、生産販売活動を行う私的な企業でもあり、その財政が複雑なことに起因したと考えられる。」結果、ヴァイマルのバウハウスは閉鎖に追い込まれたのでした。「直接的には右派政党の策謀によるのであるが、その背景にはバウハウスがヴァイマルの穏健保守的な地元工業人の支持を得られず、危険視されたことがあると言える。バウハウスの閉鎖は新聞紙上に報ぜられ、識者の間で大いに惜しまれたのであったが、しかし何が幸いするか分からない、デッサウに移転することによってバウハウスはみずからの校舎を建て一層の発展をとげることになる。」今回はここまでにします。