Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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定番になった陶彫焼成中の美術館散策
昨日、乾燥した陶彫作品に仕上げと化粧掛けを施し、夕方に窯入れを行ないました。窯入れをすると窯以外のブレーカーを落とし、電気を使えなくしているために工房での作業は一旦中止します。窯入れ、つまり焼成はそれが陶彫作品である以上、重要な制作工程で、避けては通れないものです。焼成を成功させるために土練りや成形、彫り込み加飾を慎重に行っていると言っても過言ではありません。他の素材に比べて、そこが陶彫の面白いところであり、また難しいところでもあるのです。工房が使えないとなれば、私は目ぼしい展覧会を探して美術館に出かけていくのが定番になっています。私にとって実技と鑑賞は車の両輪のようなものなので、展覧会での刺激は自分自身の感覚や思索を高める上で大変有効なのです。今日の午後から家内を誘って、東京オペラシティアートギャラリーで開催している「宇野亜喜良展」に出かけていきました。東京オペラシティアートギャラリーは新宿区初台にあり、何回か訪れたことのある美術館です。平日だというのに、展覧会場は混雑していました。NHK日曜美術館で取り上げられたことも影響しているのか、図録も既に売り切れていてスマホによる予約注文をしてきました。イラストレーターでグラフィックデザイナーでもある宇野亜喜良氏は90歳の今も制作を続けています。宇野ワールドについての感想は別稿に譲りますが、私は自分の学生時代から、業界で活躍を続けている宇野亜喜良氏を折に触れて見てきました。とりわけ私が学生時代によく出かけたアンダーグラウンド演劇(アングラ劇)に、彼はポスター等で関わりを持ち、そのエロティシズムの香る作風に、私では絶対に真似ができない世界観に、不思議と惹かれていました。自分とは真逆にあるからこそ惹かれることを私は受けとめざるを得ませんでした。展覧会を見て回るうちに、私は当時流行ったアングラ劇を懐かしんでしまい、ショップで「劇場のグラフィズム」(笹目浩之著 グラフィック社)を思わず購入してしまいました。その過激で土着性のある世界はどこにいってしまったのか、あれも現代風俗の一側面であったはずです。「宇野亜喜良展」についての詳しい感想は後日改めます。