Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 DMの効果について
日曜日になりました。今日は創作活動に関わる事柄を書いていきたいと思います。40年も前のことになりますが、私はオーストリアに住んでいて、ウィーン国立美術アカデミーに通っていました。その頃私はハウズナー教室に籍を置く画学生と仲良くなっていて、彼の描画方法に興味関心を抱いておりました。日本の美術専門教育で習った描画方法とはまるで異なる彼のやり方は、そこが日本であれば教授から否定されるような方法で、画面の隅から緻密に描いていました。日本なら全体の構図を見て大雑把なカタチを取り、徐々に細かくしていくところを、彼はいきなり細かい処理をしていたのでした。それでも画面全体は辻褄が合って見事にモチーフが画面に収まっていたところを見て、私のデッサンの方法論は揺らいでしまいました。さらに驚いたのは緻密に描かれた絵画の途中段階で、何度も写真撮影をして個展のDM(ダイレクトメール)に作品がどう映えるかを常に気にしていたところでした。今でこそスマホで撮影をする人が多く、写真映えのする画像を残すことが日常になっていますが、撮影された画像を見ながらオリジナル作品に手を加えていく行為が40年も昔に行われていたことに私はショックを受けました。彼曰く、個展に人を呼ぶのはDMが重要なアイテムで、オリジナルよりもDMにどう作品が効果的に写っているのかが個展成功の決め手になるのだというのでした。DM(ダイレクトメール)は個展案内状で、確かにそれを見て個展に足を運んでくれる人がいるのは確かです。私にとってもDMは重要で、図録撮影の時は、DMに関しても気を留めます。そのDM1500枚が今日工房に届きました。1000枚はギャラリーせいほうに持っていきます。残りの500枚は自分や家内の知り合いに出す予定です。