Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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個展が印象的だった7月に…
7月の最終日になりました。7月は毎年のことだけれど、東京銀座のギャラリーせいほうで私の個展が開催されています。今年も例外なく個展をやりました。7月15日が個展初日だったために、それまでの2週間は陶彫作品の最終制作やら梱包用の木箱作り、RECORD1年間分の額装などがあって、肉体的にも精神的にも多忙を極めていました。朝起きると強迫観念に襲われ、時間が経つのが早く感じられ、自分を追い詰めていました。個展期間中、私はずっとギャラリーせいほうにいて、来廊者の接待をやっていました。今回の個展は壁に掛けられた12枚のRECORD作品が人気で、今まで色彩の乏しかった私の作品世界に彩りを添えていました。こうした結果を受けて新作では立体と平面の双方を使って空間を創り出そうと思っています。個展が閉じた後は、その新作のイメージを考えていて、来年は今まで試したことがない新しい世界観を獲得しようと思っています。今は寝ても覚めても新作のことで頭がいっぱいですが、廃材となった古木と陶彫の組み合わせ、立体と平面の組み合わせ、それが絡み合って「発掘シリーズ」の新しい形態が出来たらいいなぁと思っています。新作を考える上で有効な展覧会や映画があって、忙しい合間を縫って見てきました。展覧会では「アンゼルム・キーファー展」(ファーガス・マカフリー東京)、映画では「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」(横浜シネマリン)で、いずれもドイツ人芸術家アンゼルム・キーファーを扱ったもので、崩壊された風景に隠された自己主張と独自の哲学に、私自身も足元を見つめながら自己表現の在り方について考えました。他の展覧会では友人たちの書道展や絵画によるグループ展もありました。映画でも娯楽性の強い「キングダム 大将軍の帰還」(TOHOシネマズららぽーと)にも行ってきました。読書では瀧口修造によるシュルレアリスム関連の書籍から抽象芸術をテーマにした書籍に移り、古い時代に書かれた気骨のある論評に挑んでいるところです。今月は個展が印象的でしたが、酷暑で辛い毎日を過ごしました。来月はどうなるのか、気温に不安を感じるこの頃です。