2024.09.07
週末になりました。今週を振り返ってみたいと思います。9月に入っても猛暑が続いていて、空調設備のない工房での作業は、真夏と時と同じように厳しく、それでも新作の陶彫制作は無理を承知でやっていました。暑さに身体は慣れてきたものの、流れる汗を拭いながら、制作を先へ進めるのはなかなか困難だなぁと思います。陶土は乾燥が早く、ビニールで包まずに暫し置いておくと固くなってしまいます。新作の全体構想は気候が涼しくなってからやろうと思っていて、今は部分に拘って作っています。今週は木曜日に家内と東京の美術館に出かけました。後輩の彫刻家が木彫を出品している二科展とその隣で開催していた企画展「田名網敬一 記憶の冒険」展を見てきましたが、グラフィックアーティスト田名網敬一のパワフルな世界観に圧倒されました。回顧展は作家本人が展示設計したものだったらしいのですが、回顧展が始まってすぐ他界した彼は、実際の回顧展を見ていないと会場に断り書きがありました。壁に三段掛けされた夥しい数のポスターやおどろおどろしい立体作品は、まさに色彩の氾濫で、毒気を含んだ表現に私は自分が侵食されてくるような感覚を持ちました。今週の一番インパクトのあった体験は、まさに「田名網敬一 記憶の冒険」展で、鑑賞者側の好き嫌いはあったにしても、作家冥利に尽きる内容の展覧会だったのではないかと私は思っています。私はパワフルな展覧会を見たことで、自分も猛暑の中であっても意欲をもって頑張ろうとしていました。今日は先日に続き、二科展に出品していた後輩が工房にやって来て、工房内の清掃を丁寧にやってくれました。私は汗まみれになりながら土練りを行ないました。今週も展覧会に刺激をもらって充実した1週間を過ごせたと思っています。