Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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秋の展覧会を2ヶ所巡った日
昨日、地元の公立中学校の地域会議から帰った後、工房に出かけていき、窯入れの準備をしていました。窯入れをすると電気の関係で照明等が使えなくなり、今日はそれを言い訳に東京の美術館や博物館に鑑賞に出かけました。家内は邦楽器演奏があったために、今日は私一人で出かけました。秋になると大きな展覧会が企画されているので、この機会を逃さず、上野あたりをウロウロしたのでした。まず立ち寄ったのは東京都美術館で開催している「田中一村展」で、奄美の自然を描いた日本画家田中一村の個展を、私は1995年に横浜高島屋の特設会場で見ています。その後、家内と奄美大島に旅行し、新しく建てられた美しい田中一村記念美術館でも作品を鑑賞しています。その際、一村がアトリエにしていた一軒家も見に行っており、その廃屋のような小さな家の周囲を歩き回った記憶があります。奄美大島は家内の母親の故郷で、私たちはその時まだ生存していた遠縁にあたる人を訪ねているのです。一村の奄美での生活やそこで培った斬新な画風は、本展で見る以前によく知っていましたが、奄美に渡る前の作品の数々は初めて見るものもあり、一村の絵の変遷をひと通り見渡せたことで、今回は大変有意義な時間を過ごしました。詳しい感想は後日に改めたいと思います。次に向かったのは東京国立博物館平成館で開催している「はにわ展」です。私は陶彫制作をしているために、日本古来の陶による出土品には興味津々で、今までは縄文土器を訪ねて新潟県や群馬県に行っていました。そこで埴輪も見ていますが、本展のように埴輪に特化した展覧会は初めてでした。埴輪と言えば私は武人の像や家型埴輪しか知らなかったために、こんなバリエーションがあったとは驚きでした。また最新の発掘調査で判明したこともあり、考古学的興味も刺激されました。「はにわ展」も詳しい感想は後日改めます。今日は平日にも関わらず、東京都美術館も東京国立博物館も多くの人が来場していて混雑していました。展示作品を凝視していると、私は人の動きは気にならなくなりますが、最近の展覧会は撮影が許可されているところが多く、シャッター音があちらこちらから聞こえてきます。私は音声ガイドもスマートフォンも持たずに鑑賞をすると決めています。私は直感を信じていて、カメラではなく直接脳裡に刻むことに喜びを感じているのです。今の時代になっても昔ながらの鑑賞方法だなぁと思っています。