Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 昔の芸能に思い馳せた1週間
週末になりました。今週の振り返りを行ないます。今週も相変わらず朝9時から夕方3時過ぎまで工房で陶彫制作に明け暮れていました。水曜日の夕方に窯入れを行ない、窯以外のブレーカーを落としました。そのため木曜日は窯の温度確認をしただけで、工房での作業は出来ませんでした。木曜日は東京と横浜の美術館・博物館に出かけました。東京赤坂のサントリー美術館では「英一蝶」展を見ましたが、英一蝶は絵師だけではなく、幇間(太鼓持ち)をやっていて、それが罪を犯すきっかけになって幕府の逆鱗に触れ、島流しになりました。絵ではなく芸能によって一時的に身を滅ぼしたのでしたが、その後江戸に舞い戻って絵師として名声を得ました。なかなか英一蝶は波乱万丈な人生を送ったのではないでしょうか。その日、私は東京から横浜へ移動し、神奈川県立歴史博物館で開催している「仮面絢爛」展に行ってきました。同館には昔行った記憶があり、建物自体もドーム屋根のあるネオ・バロック様式で堂々とした外観を持っています。「仮面絢爛」展は、仮面の歴史的背景を謳った展示で、武家社会を物語る芸能がクローズアップされていました。ここでも芸能に注目しました。まるで異なるニュアンスを持つ2つの展覧会でしたが、「英一蝶」展は江戸時代の芸能、「仮面絢爛」展は鎌倉時代の芸能に着目したことで、昔の芸能が共通項になり、私の中で繋がってしまいました。この日は造形美術とは違う観点があって、自分なりに興味関心が持てたことが幸いでした。前にNOTE(ブログ)に書いたことですが、1週間が経つのが早く、週末があっという間にやってきます。教職に就いていた頃は、週末を心待ちにしていた記憶がありますが、今は何という早さで週末がやってくるのか、とても教職員の頃とは同じ時間を生きている感じがしません。彫刻家一本になった途端に、生涯が短く感じられると先輩諸氏に言われたことがありますが、成程と深く頷いている自分がいます。止まれ、時間よ。自分には考えたいことが山ほどあるというのに…。