2025.01.05
日曜日になりました。日曜日は主に創作活動について書いていますが、今日は今年最初に出かけた映画鑑賞について雑感を述べてみたいと思います。今日の昼間は陶彫制作に精を出していましたが、夕方になって家内を誘って、横浜市の中心地にあるミニシアターにスペイン・フランスのアニメ映画「ロボット・ドリームズ」を観に行ってきました。映画「ロボット・ドリームズ」はネット情報で知りましたが、内容に素の感情に働きかけてくる温かさを感じ取り、これは絶対観に行こうと決めていました。登場する人物は全て動物の戯画化で、舞台は大都会ニューヨークでした。大都会でひとりぼっちのドッグは、組み立て式のロボットを注文し、そのロボットに唯一無二の友情を育んでいきます。ロボットも純朴な感情を持っていたため、お互いが信頼できる関係を築き、有名な公園や高層ビル街などを背景に楽しい時間を過ごしていました。夏の終わりに海水浴を楽しんだ帰りにロボットは錆びて動かなくなり、ドッグは砂浜にロボットを置き去りにするしかなかったのでした。海岸は閉鎖され、ドッグの懸命な救済も届かなくなり…。翌年の夏までそれぞれ離れ離れの時を過ごすことになりました。この離れ離れの時間がこの映画のもうひとつの見せ場になっているように私には感じられました。時間は留まった状態にはならず、再会を誓いながらも、それぞれの気持ちは確かに育っていて、そこに新たな出会いがあり、豊かな未来が待っていると私は思いました。CGアニメ全盛の時代に敢えて2Dのシンプルな線描アニメで描いた本作は、そのシンプルさ故に物語の強さや哀しさを謳っていて、また一切台詞がない画像展開も、観客を物語に没入させるには十分効果があったと私は考えます。スペイン人パブロ・ベルヘル監督は製作も脚本も兼任されていますが、実写では高い評価を受けている監督の初アニメーション作品だったようで、そのアプローチが輝いていると思いました。