2025.01.11
2025年が始まって、通常通りの制作中心の生活が戻ってきました。寒波の影響で朝は寒く、工房のある畑には霜柱が立っています。ただし、関東は雪が少なく、他の地域に比べると厳しさをあまり感じません。それだけでも横浜に工房を構えていて幸運だったと言えます。実際の陶彫制作は水を扱うことが多いので、手は悴み、足元にあるストーブだけが暖を取る手段になっています。今週も朝9時から夕方3時頃まで工房にいました。陶彫制作していると、あっという間に時間が過ぎていくので、暇を持て余すことはまったくありません。陶彫の制作工程は土練りから始まり、大きめのタタラを作り、一日置いてタタラと紐作りで成形を行ない、さらに一日置いて、彫り込み加飾を施します。その後乾燥させて、仕上げと化粧掛けを行ない、最終的に窯に入れて焼成します。作品は複数個を同時に作りますが、意図的に作品によって制作工程をずらしていきます。以前にNOTE(ブログ)に書いたことのある制作サイクルと私が呼んでいるもので、これによって私には休憩がなくなります。常に追い立てられるように制作を進めていくものなので、効率的ですが、途中で休めないデメリットもあります。美術館や映画館に鑑賞に出かける時は、どこで作品を打ち切るか考えながら制作を進めます。今週は一日も休まず工房に通ったので、制作サイクルは順調に回りました。陶彫制作は陶土の具合で制作を進めていくので、作者の気分は考慮されません。作者の調子が良かろうが悪かろうが関係なく、ともかく朝から工房に行って、制作サイクルの中に身を置くことが一日のルーティンになっています。私にはこれが向いていると思っていて、気分が乗れば一気呵成に作り上げていく芸術家気質とは異なっています。退職前の仕事のように勤務時間が決まっていて、必ず時間になったら仕事を始めていく体質に慣れてしまっているのも事実です。しかも週末も休まず、制作サイクルに乗っていくのが、私の制作スタイルなのです。