Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 素材ありきで考える造形イメージ
日曜日になりました。日曜日は創作活動についてNOTE(ブログ)を書いていきます。私が創作として作品を作り始める前に、立体の構造を学ぶ習作時期がありました。それはモデル台に裸像を立たせて、人体塑造を写実的に作るもので、昔からやっている彫刻の入門となる訓練です。今は美術系の学校でそんなことをやっているのかどうか分かりませんが、立体としての形態把握にはかなり効果的だったと私は思っています。私は最初は立体把握がままならず、4年間かけて漸くまともな人体塑造が出来るようになりました。立体把握と同時に、塑造に使う粘土や石膏、彫造に使う木材や石材に対して何かしら自己表現に関する影響もあり、それが素材ありきで考える創作活動に結びついていったように感じています。そのあたりから創作に対して自分はどうしていくのかという意識が芽生え、自分は何が得意なのか、どんなものに興味があるのか、自問自答する日々がありました。私の創作活動へのアプローチは、絵画的な方法ではなく、素材を介した彫刻としてのアプローチであったのが、現在も造形イメージとして続いているわけです。しかも創作を意識し始めた頃に、私はウィーンに住んでいて、目の前に広がる煉瓦や石で作られた旧市街を散策していました。ヨーロッパの街並みの構築性は、その原点であるギリシャ・ローマの遺跡を訪ねてゆく動機にもなり、それが陶彫による遺構の発掘現場を想定した作品世界へと収束していったと考えています。自分はどう展開しても素材ありきで考える造形イメージを覆すことは出来ません。亡父が営んでいた造園も私に少なからず影響を齎せていると思っていて、場を想起して、そこに陶彫作品を複数配置する発想は、造園施工からくるものではないかとも思っています。今日はそんなことを考えながら、陶彫の作業をやっていました。