Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 法事&木材加工の1週間
週末になりました。今週の振り返りを行ないます。今週の日曜日は声楽家の叔父が亡くなって1周忌となり、親戚が集まって法要を行いました。その中には90歳になる考古学者の叔父の姿もありました。いろいろな人の元気な姿が見られたので、私としては安堵しました。法要は故人を偲びつつ、生きている私たちのために行うものだと私は思っています。月曜日から今日に至るまで工房は木屑に溢れていました。新作の制作工程では、陶彫制作を一旦止めて、陶彫部品と組み合わせる古木材の加工に着手していました。古木材は実家を解体する時に出た大黒柱で、業者に頼んで工房に運び込んでもらったものです。年輪に密度があって、加工がしやすい反面、久しぶりに私は鑿を振るったので些か疲れました。古木材は4本あり、そのいずれにも彫り込みを入れています。また重量もあり、一本ずつ作業台に乗せるのがしんどかったなぁと思いました。木彫や木工は、私が取り組んだ素材の中では、比較的親しい素材です。木彫だけで作品を作った経験もあります。私が作品の中核に据えている陶彫に、木彫がよく合うのも木材を選ぶ理由ですが、木材の自然な在り方が好きなのです。私にとって陶も自然そのものです。 陶土は層状の堆積性粘土のことで火成岩が風化を受けて生成された粘土などが多いと言われています。私が使っている陶土は精製されたものですが、それでも地中から摂取されたものなので、私にとっては人工的に作られた素材よりは親しみを感じるのです。木材も同じです。陶土にしろ木材にしろ、自然から恵んでいただいた素材という意識が私にはあります。自然そのものは大変美しく、また季節によって育まれてきたものです。それを人の手で造形化するのは、元々あった美しさに対峙することになるのかもしれませんが、私が彫刻の端暮れに関わっている以上は、できるだけ素材に逆らわない美を探る方向にもっていきたいと考えています。