2025.03.22
週末になりました。今週を振り返ってみたいと思います。今週の陶彫制作は専ら小品ばかり作っていました。今年の夏の個展で発表する小品は、2つの陶彫部品を組み合わせたもので、今まで作ってきた小品の中では最も大きく、また手間をかけています。今月は規模の大きい新作の古木材の仕上げや炙り作業を計画していましたが、これはどこまで出来るのか分からず、乾燥に時間がかかる陶彫による小品を優先させていました。毎日朝からから夕方まで工房に籠っていますが、漸く春らしい気温になって、作業が楽になりました。その中でも今日は特別で、気温としては初夏を思わせるもので、厚手の作業着での温度調節が大変でした。今週は木曜日に乾燥した4点の陶彫作品に仕上げや化粧掛けを施し、窯に入れました。窯以外のブレーカーを落としてしまったために、金曜日は工房で作業が出来ずに、お彼岸と言うこともあって、家内の両親の墓と私の両親の墓にそれぞれ墓参りをしてきました。こうした先祖を敬う行事に私たちが出かけて行くのは、春と秋に1回ずつです。家内の両親は日蓮宗、私の両親は浄土宗で、顕教が違うことはあるにせよ、仏教そのものにあまり興味のない私は、最低限の宗教行事に関わっているに過ぎません。最近、密教に関する書籍を読んだにも関わらず、それは曼荼羅の視覚的面白さだけで、宗教に目覚めることはありませんでした。金曜日には映画を観てきました。映画「Flow」は米アカデミー賞長編アニメーション賞に輝いていて、ラトビア人の監督による秀作でした。これはCGアニメでしたが、わざと粗くして手触り感を出している動物たちの動画や、背景となる草木の大地や西洋の中世の街並などが大変印象的で、洪水で沈んだ都市はヴェニスのような美しさがあり、水の侵入によって刹那の憂いも感じさせ、私としては大変好感を持ちました。映画館では図録が売り切れていて、物語の背後にあるものや監督やスタッフの苦労話が掴めていないのですが、それでも映画そのものが訴えてくるものがあって、鑑賞後も折に触れて考えさせる内容であったことは間違いありません。