Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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新作完成に向かう5月
5月になりました。新緑が眩しい季節になり、工房周囲の山や畑にも若葉が芽吹いてきました。この時期は暑くも寒くもなく絶好の創作活動日和です。今日は朝から夕方まで工房に籠り、平面作品のパネルを作っていました。今月は立体作品も平面作品も完成を目指します。今月の25日(日)に図録撮影を決めて、カメラマンやスタッフたちに連絡を入れました。その日から逆算して完成までの計画を立てていきます。問題は追加制作ややり直しがあった場合を考慮しなくてはならず、余裕を見ておいても結局ギリギリになることが多いのです。この最後の詰めは作品制作において最重要で、ここで作品の質が決まるといっても過言ではありません。今までもそうでしたが、最後の1ヶ月は持てる力の全てを費やして作品完成に向けて頑張るしかないのです。ただし、視野が狭くなっては作品が小さくまとまってしまうので、美術鑑賞とバランスを考えながら、常に冷静でいたいと思っています。今月も良質な展覧会があると思います。自分の向上心を刺激する展覧会は、自分が考える以上の豊潤な感動を齎せてくれるので、情報があれば展覧会に出かけていきます。自分が形態や色彩を使った表現活動をやっているのは、生きていく上で最高の喜びがないと意味がありません。今年、美大の4年生になった工房のスタッフに、自分は卒業した後でもずっと毎年卒業制作をやっているようなものだと言いました。工房に出入りしている後輩の彫刻家も、私同様に常に全力投球をしていて、それが板についてしまっているところがあります。集中力に緩急をつけることは必要ですが、気持ちが内向きにならないように努めていきたいと思います。自分が作ってきた制作環境は、そういう意味では力を発揮するには十分な環境と言えます、それは工房だけではなく、一緒に制作している仲間にも言えることです。読書は西洋美術に関する書籍を引き続き読んでいきます。自分にとっては旧知のことでも、美術史を再確認することは必要と考えるからです。