Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 体感する芸術について
日曜日になりました。日曜日は創作活動についてNOTE(ブログ)を書いています。今晩再放送のNHK「日曜美術館」でドイツの芸術家アンゼルム・キーファーの世界を取り上げていました。嘗て私は箱根彫刻の森美術館の室内展示室で大掛かりな「キーファー展」を見て、藁や木材を炭化させた巨大な作品に衝撃を受けた記憶があります。2018年2月8日付のNOTE(ブログ)にこんな表記がありました。「(私が彼に興味を持ったのは)1998年に箱根の彫刻の森美術館で開催された『アンゼルム・キーファー展』を見たことに端を発します。ナチスの負の歴史を直視し、ナチス式敬礼の写真を展示して物議を醸した芸術家は、その後もナチズムを白日に晒す作品を作り続けました。彫刻の森美術館では藁や炭化された木材、またコールタールで塗りこめた巨大な作品が壁を覆っていて、その素材感に圧倒されたのを今も覚えています。その時は題名に気を留めていなかったのですが、キーファーは主題や意味を尊重する芸術家であることを後になって知り、その意図を汲むべきだったと後悔しています。キーファーの作品には聖書や神話、さらにユダヤ教の神秘思想とも言うべきカバラ哲学も創作動機に入ってきていて、それを知るには芸術家個人の経験としての背景があるのだろうと察します。」今日の放映でキーファーの世界が京都の二条城で展示されていて、古い木造建築の中で見るキーファーの主張が、日本の伝統と対峙して、それが絶妙なバランスを持っていることに、私は刺激をもらいました。ただ、こういう素材が全面に出た作品は、作品そのものも巨大なこともあって、心身で体感してこそ、漸く表現の何たるものかが味わえるのです。実際に京都の二条城に足を運ぶのが最適ですが、現在オーバーツーリズムで京都は混雑をしているため、それを体感しに行こうという気が起きません。テレビで満足できるものではありませんが、想像を逞しくして心を満たしました。