2025.05.17
週末になりました。今週を振り返ってみます。今週は今までやっていた平面作品から一旦離れて、「発掘~跨橋~」の作業に移りました。4本の大黒柱にそれぞれ陶彫部品を組み合わせて、最終的な全体構成を決めました。陶彫部品を嵌めていく彫り込みを微調整する必要に駆られ、久しぶりに鑿も使いました。その後、陶彫部品と大黒柱に番号をつけていきましたが、来週には印をつけた和紙にその番号を書き写して、大黒柱と陶彫部品の隠れた箇所に貼っていくつもりです。さて、全体構成が終わった大黒柱にバーナーをあてて炙り作業を開始しました。金ブラシで煤を削ぎ落し、布で拭き取っていく地味な作業ですが、創作とは関係ないようでいて、最終的にはそれによって効果が左右されるので、時間をかけてやっていました。炭化した木材と赤錆色した陶彫の組み合わせに、私は最高のコラボレーションを見る思いがしていて、大変気に入っています。とりわけ大黒柱の重量感はなかなか素晴らしくて、素材の魅力を引き出していると私は思っています。今週は「発掘~跨橋~」の全体構成と大黒柱の炙り作業に明け暮れた1週間になりました。勿論、最終的には図録撮影の時にすべてが眼前に現れてくるので、その時にならないと、うまくいくかどうかの不安は拭えませんが、素材同士の組み合わせでは自分自身の感覚を信じて疑わないところもあります。そんな時に、次作のイメージが湧いてきました。私の場合、ほとんどが現状から逃避したい気分になった時に、次作がどこからともなくやってくるので、今回もそろそろ次作が映像として現れるかなぁと思っていました。次作のイメージについては日を改めて書き留めておこうと思います。夜は近代絵画史の印象派についての書籍を読んでいて、旧知のことでも改めて印象派の成り立ちや価値観の変移による印象派の解体について、もう一度確認をしている最中です。芸術という概念は西洋から始まり、ルネサンスから新古典主義に至るまで、その造形哲学に素晴らしさを感じますが、それを打ち破るパワーもなかなか凄いなぁと感じ入っています。今週はいろいろな意味で充実した1週間だったと振り返りました。