Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 次作のイメージが湧く
日曜日になりました。毎回日曜日には創作活動に関することを書いています。今日は先週あたりに湧き上がってきた次作のイメージについて、メモを残しておこうと思っています。今までもそうですが、何もないところから突如イメージが出てくることはなく、現状を踏まえて、その発展形として次なる作品が思い浮かぶのです。その源泉は現在制作中の平面作品にありました。現行の平面作品には「痕跡」というタイトルをつけようと考えていて、何かしら完成されたカタチが崩れ、何かが失われていく過程をイメージしています。下部に塗られた抽象性の強い矩形や有機的なカタチの上から、重ね塗りをすることで、次第に失われていく世界を表現しようと意図しています。重層的なイメージを最終的に決定づけるのは最上部にコラージュした杉板の破片です。現在2点の平面作品を作っていますが、来年もさらに2点追加しようと考えました。こうした展開の中で気づいたことですが、私は平面作品の方が自由にイメージを羽ばたかせることができるなぁと感じていて、そこを源泉として段階的に立体作品に誘導することがやり易いと思いました。平面に施している油絵の具による塗装は、以前のNOTE(ブログ)には描写の否定を主張していましたが、重ね塗りに筆致の掠れを多用していることを考えれば、これは描写の一端とも言えて、印象派と何が違わないのかと自問自答しています。立体作品では厚板材で破片を作り、それを陶彫作品による橋桁で支えようと漠然と考えました。厚板材の破片は陶彫作品の橋桁で固定し、破片の一部が宙に浮くようにすれば、浮遊感が表現できるのではないかと考えました。ここでイメージしていることは、まだ粗削りなことばかりなので、これを具現化するための試行錯誤がここから始まるわけです。立体作品には重力と言う課題が常に付き纏うので、平面作品に比べれば不自由なことばかりですが、素材の持つ魅力と、場を支配する空間演出の魔術に惹かれて、制作の中心は相変わらず彫刻にならざるを得ません。来年も頑張っていこうと思っています。