2025.06.07
週末になりました。今週の振り返りを行ないます。今週は新作の陶彫作品を作る一方で、7月の個展に向けて出品作品の梱包作業に追われていました。エアキャップのついたシートによる平面作品や古木材の梱包は終わっていて、陶彫作品を収める木箱作りを始めていました。昨年の作り方を思い出しながら、木箱を補強する垂木を切断しました。昨年ほど陶彫作品は多くはないので、作品量を確かめながら木箱作りを進めていきます。先日、カメラマンが撮影した案内状の画像がラインで届きました。私が確認して印刷を開始してもらうことにしました。今週はそうした作品に関すること以外に、2日間にわたる鑑賞の機会があって、私は楽しい時間を過ごしました。まず水曜日に出かけた川崎市立日本民家園。私以外に20代の女性たちが3人も一緒で、数多く点在する古民家を訪ね歩きました。彼女たちに背中を押されながら、私は白川郷の民家の中で、賑やかな彼女たちとアイスクリームを食べました。知り合ったばかりの台湾人アーティストもいて、彼女はスケッチをやっていました。翌日の木曜日に私は家内と東京新橋まで出かけ、パナソニック汐留美術館で開催中の「オディロン・ルドン展」を見てきました。印象派と同世代のルドンは、印象派の代表的な画家と比べても新しい感覚があります。とりわけ内面的で幻想的な作風は、印象主義の次にやってきた象徴主義を体現していて、私はこの時代以降が好きなのです。眼に見えるものを光や影を使って感じたものを感じたように描いた印象主義に対して、眼に見えないものを想像力を駆使して描いた象徴主義。現代美術はそこから始まっていると言っても過言ではありません。パナソニック汐留美術館には所蔵作品としてルオーの絵画があります。ルオーも同世代ですが、ルオーは表現主義と言うべきで、そこに宗教性を感じさせる骨太で静謐な画面を作っています。今回はルドンとルオーの比較も出来て、私には楽しい時間がありました。ただ、私がルオーを理解するには時間がかかりました。最近漸くルオーの誠実な作風が分かってきたところです。