2025.08.18
私は個展開催の度に、訪ねてくれた方々にお礼状を出しています。芳名帳を見て来廊者を確認していますが、ギャラリーから出された案内で来られた方で、住所が芳名帳になかった方々には、お礼状が出せません。その方々にはこの場を借りて、改めて御礼申し上げます。このお礼状をもって今年の個展が終了したと私は考えています。制作は1年中続いていますが、5月末から6月初めにかけて、個展に出品する作品が出揃ってきます。作品が現行から新作へ移行するのはこの時期なのです。この時期に日程を決めて図録用の写真撮影を行います。私の作品は集合彫刻のため、私一人で展示することが難しく、私の教え子たちに召集をかけて、手伝いをお願いしているのです。この時に作品の組み立て方法をスタッフに伝授しながら、皆で楽しく撮影会を行ないます。次に6月に案内状やら図録の色校正があって、印刷が出来上がってきます。私はそれを持参して東京銀座のギャラリーまで出かけます。7月の個展の搬入と搬出は撮影に立ち会ったスタッフが、その場でギャラリーの空間を見て設置を始めます。ここまでくると私一人が行うものではなく、スタッフたちの意見を入れて、全員で演出を考えながら展示を行うのです。照明も美大でデザインを学ぶ子が梯子に乗って調整しています。このイベントは最初から最後まで楽しく行えることが大切で、力仕事もあって辛い場面もあるのですが、最終的には皆で協力し合えるように出来たら成功と私は考えています。最後はお礼状の準備で、これは個展初日にカメラマンが撮影したものを使っています。芳名帳には半分以上の方々の住所がなく、お礼状を渡せないのが残念ですが、お礼状は私の自己満足の面もあるので仕方ないかなぁと思っています。これは自分のケジメのためにやっているようなものです。私にとって印刷物は重要で、実際の彫刻が簡単にお見せできないのを補うものとして、案内状や図録やお礼状が存在するのです。このホームページもその一端を担う役目があって、大事なアイテムです。お礼状にも書きましたが、また来年もよろしくお願いいたします。