Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶彫&インド映画鑑賞の1週間
週末になりました。定番として土曜日は今週の振り返りを行ないます。今週も相変わらず毎日工房に出かけて、陶彫制作に精を出していました。新作の陶彫作品は大中小3点の陶彫部品を上積みして構築物を作るもので、それが6点で構成されます。合計すると全部で18点が必要で、そのほとんどが成形、彫り込み加飾が終わって乾燥棚にあります。今週は最上に乗せる陶彫部品を作っていました。今週の後半はやや涼しくなってきましたが、まだまだ湿度が高く、作業をするには万全の環境ではありません。ただ、そろそろ来週あたりから窯入れを考えていこうと思っています。今週は長くつきあってきたヴァザーリ著の「芸術家列伝」が読み終わり、西洋美術におけるひとつの到達点にあったルネサンス期の多くの芸術家の活躍を知りました。キリスト教が伝えるエピソードを視覚化することに、多くの才能が集い、人々の心に響く表現を模索した記録は、質量ともに後世に残る偉大な時代を築いてきたのでした。明治時代に西洋から美術の概念がやってきて、私たちは小中学校の図工・美術科で、西洋に傾倒した教育を受け、さらに私は彫刻を専門としている以上は、ルネサンス美術は避けて通れない西洋美術の足跡ではないかと考えております。そんな中で今週はインドの日常生活にも映画の中で味わいました。インドの街の喧騒が、以前、家内と旅したカンボジアやインドネシア、タイに近いものがあって、そこで感じた体験と交ざり合って、私は異国情緒をまるで感じなかったばかりか、そこの埃っぽさも思い出されました。ただ、旅では分からなかったカースト制を背景とした人権に関することが、この映画では表れていたように思いました。美術作品や日常風景などで異文化を感じ取ることは、時々あっても良いと思っています。毎日自宅と工房を行き来するだけでは気持ちが塞ぎこんでしまうからです。読書や映画鑑賞で気楽に味わえる異文化体験は、日本が安定した社会であることで実現できているのだろうと思います。