Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 窯入れ&展覧会散策の1週間
週末になりました。定番として土曜日は今週の振り返りを行ないます。今週も相変わらず毎日工房に通ってましたが、漸く涼しくなってきたので、新作の窯入れをしようと思いました。新作はかなりの数の陶彫部品の成形や彫り込み加飾が終わって乾燥が進んでいます。ただ、焼成をしなければ陶彫作品は完成とは言えず、まず第1号の窯入れを水曜日に行いました。水曜日は丸一日かけて乾燥した陶彫部品に仕上げと化粧掛けを施しました。ひと夏越した化粧土は、水分が蒸発していて、もう一度水を足して攪拌をしました。夕方には陶彫部品を窯に入れて一段落しましたが、毎回窯入れは祈りたいような気持で焼成を開始します。現在作っている陶彫作品の部品が大きいので、窯には1点しか入れられず、土台となる陶彫部品6点の焼成には6回分の窯入れが必要となります。またその日に窯入れをしてしまうと、電気の基本料金の関係で翌日の電気が使えず、工房での作業は中止になります。そういう訳で木曜日は東京の博物館と美術館に出かけました。家内が用事があったため、展覧会巡りは私一人で行きました。上野公園は観光客や児童の遠足等で賑わっていました。東京国立博物館の「運慶」展も東京都美術館の「ゴッホ展」もきっと混んでいるだろうと予想を立てていましたが、やはり大変な混雑ぶりで、私は鑑賞者の間を縫って作品を鑑賞してきました。運慶の仏像もゴッホの絵画も私には旧知のものばかりで、新鮮味に欠けるかなぁと思いきや、久しぶりに観る名作はやはり記憶のアップデートがあって、何度も感動を与えてくれるものだなぁと思いました。創作行為は人間でしか出来ないもので、そこにその作者の精神性が見られ、この人は一体何を求めて鑿を振るい、また絵筆を動かしていたのか、その行きつく先を考えるのは、とても楽しいことだと私は考えます。求めてやまなかったものは、作者の生きる意味だったのか、命のカタチだったのか、懸命に探っていったものを鑑賞者は追体験をし、その意欲を戴くことで私たちにも活力が漲ってくるのでしょう。