2025.10.02
昨日、工房で窯入れをしたため、今日は電気の関係で工房での作業を休みました。昨晩の従弟のライヴに続いて今日も鑑賞の機会を設けました。東京の2つの美術館で開催している、私が興味関心を持っている展覧会があって、家内を誘って午前中から出かけました。ひとつは三井記念美術館で開催している「円山応挙」展で、ここには私が前から本物を見たいと願っていた応挙と若冲が競作した屏風が出品されていて、私は無我夢中で鑑賞してきました。円山応挙に関して私は思いが強く、とてもひと言で語れないため、後日改めてNOTE(ブログ)に書いていきたいと思います。次に向かったのは東京ステーションギャラリーで開催していた「インド更紗 世界をめぐる物語」展で、インドで数百年にわたって伝えられてきた手描きや木版を組み合わせて布に模様を施す技法が、時代とともにグローバルなデザインに変ってゆく過程を見ることができました。図録から引用します。「本展は、染織品や工芸品のコレクターとして知られる、インド出身で英国在住のカルン・タカール氏のコレクションをもとに、インド更紗が世界に及ぼした影響をたどる展覧会である。~略~グローバルな事象を語るには、それがローカルな社会でどのような存在であり、どのような影響を与えたのかを検証することは必須である。本展では、その一例として、インド更紗がインド地域でどのように用いられていたかを知ることを、世界をめぐる物語の序章とした。~略~ヨーロッパ人がインドに注文してできあがったハイブリッドな花文様は、当初は室内装飾用の掛布などとして、その後はファッショナブルな衣装として、もてはやされた。」(岩永悦子著)日本にもインド更紗の影響は及んでいて、着物や茶道具の包裂などに見られるようです。私は展示されていたインド更紗の色彩や形態の面白さに、暫し足を留めて見入ることがありました。染められた紅色と濃緑の組み合わせが結構自分の好みに合ったこともあって、その繰り返し文様に不思議な魅力を感じていました。展示の最後に英国のウィリアム・モリスの自然物をデザインした有名な作品があり、インド更紗とモリスのデザインの関連を考える機会がありました。インド更紗の発展と世界への浸透が分かり易く展示されていました。