2025.11.01
先週の土曜日は女子美術大学の女子美祭に行ってきました。今日は多摩美術大学の多摩美芸祭に行ってきました。そのきっかけは工房に出入りしている教え子が多摩美術大学でグラフィックデザインを学んでいるからです。この専攻科は私の高校の同級生である竹中直人君が学んでいたところであり、なかなか水準の高い科でもあります。昨晩は雨が降っていたので、天候を心配しましたが、今日は朝から晴れました。昨日窯入れをしたので、私は工房に窯内の温度確認に行って、彼女たちを迎えに自宅を出ました。彼女たちと言うのは前述の美大生の他に、文学性に優れた教え子も誘っていて、私はこの小さな詩人を同行させることで、彼女のコトバの引出しを増やそうと企てているのです。多摩美芸祭の展示作品は少々毒気のあるキャラクター風のイラスト作品群がどれも印象的で、現代日本美術の特徴を示しているのかもしれないと考えました。大阪万博のミャクミャクもそうでしたが、美しいだけではない独特な美意識が私たちの中に眠っているのかもしれません。多摩美芸祭は展示よりフリーマーケットに重点が置かれていたと考えたのは私だけでしょうか。模擬店の数が多く、一店舗ずつ回り切れるものではなく、私は暫し野外のベンチで休憩を取っていました。教え子たちはマーケットを散策して、小さなグッズを買っていました。そこが卒業制作展と今回の芸祭の違うところで、祭り気分で回るのが多くの参加者には楽しい思い出になると思っています。まだ教え子が美大に在籍しているうちは、私も彼女たちに誘われて、こういう機会を持てることに嬉しさを感じます。同時に美術系の学校には、自分自身を生かす環境や設備があって、そこで過ごす珠玉の時間があります。美大を卒業すれば、社会人として世の中の世知辛い風に当たるわけですが、自己表現ばかり考えて過ごした4年間に対して、世間に対応しきれなくなる学生がいることも確かです。芸祭を見ていると刹那に楽しむ学生が見え隠れしてしまうのは、私ばかりではないはずです。