宙吊り魂が棲まうところ ボクの中に魂がぶら下がっていて ブランコのように揺れている 魂は無用の長物のように 存在すらわからない 展覧会で見た絵に魂が回りだした 競泳選手のラストスパートに魂の回転が加速した 全身全霊で何事かに打ち込んでいると 魂はぐるぐる回りっ放しだ 喉から手が出そうになる欲求にも 魂は回り続けている 通勤中の虚無なボクに 魂は揺れない 前例どおりに書類をまとめているボクに 魂は宙吊りのままだ 魂は無用の長物のように 存在すら隠している