浮遊の風景 ぼくは自分の抜殻を 上空から眺めていた ドローンの視点にも似て けれど具体は見えなかった ぼくの見た抜殻は 醜態を晒していたが 懸命に生きた証が漂って それでぼくは満足を覚えた ぼくはぼくを生きたのだ ぼくはぼくを肯定した 無重力の快さの中で はじめてぼくはぼくになった ようやくぼくはぼくになれた