「キリスト教美術をたのしむ」(金沢百枝著 新潮社)の「アブラハムとその子ら」は6つの単元から成っています。今回は〔19アブラハム Ⅰ〕から〔21ロト/ソドムとゴモラの滅亡〕までを扱います。まず〔19アブラハム Ⅰ〕。「アブラハムはイスラエルほか諸国民の父祖。ノアの息子セムから数えて10代目の子孫です。ユダヤ教でもイスラーム教でも尊ばれる預言者で、キリスト教でも、『アブラハムの懐』といえば『楽園』を意味します。~略~父祖となるはずのアブラハムですが、サラ(妻)には子ができません。サラは悩んだ末、エジプト人の女奴隷ハガルを夫にさしだします。ハガルは身ごもり、女主人を軽じるようになりました。~略~荒野の泉のほとりで、天使に勇気づけられたハガルは、アブラハムの元に戻り、息子イシュマエルを産みました。アブラハム86歳のときでした。~略~けっきょく、サラは子を産み、『イサク』と名づけられました。その名はヘブライ語で『笑う(イツハク)』の意。~略~イサクが成長すると、サラの心を占めるのは、アブラハムの跡目を誰が継ぐのか。サラはアブラハムに、ハガルとイシュマエルの母子を追放するように願い出ます。」次に〔20アブラハムⅡ〕。「息子も成長し、しあわせな老後を送っていたアブラハムに、ある日、神はこう命じました。『あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。』『焼き尽くす献げ物』とは、肉を食べずに焼け尽くすという意味で、『燔祭』とも呼ばれます。」神はアブラハムの信仰の篤さを理解し、イサクは救われました。次に〔21ロト/ソドムとゴモラの滅亡〕。「ロトは、アブラハムの甥です。アブラハムとともに故郷を離れてカナンへ赴き、飢饉のときには、やはりともにエジプトに逃れました。~略~ロトは、ヨルダン川流域の低地がエデンの園のように潤い豊かなのを見て、そこに決めました。しかし、そこは、悪徳で名高いソドムとゴモラの町でした。~略~(アブラハムが)脱出を説得できたのは、嫁入り前の娘たちと妻だけでした。明け方になってようやく、ためらうロトとその家族は、天使たちに導かれて町を離れました。~略~朝日が昇り、一行が小さな町ツォアルに着いたとき、ソドムとゴモラに天から硫黄の火が降りそそぎ、全住民は草木もろとも焼滅しました。ロトの妻は後ろを振り返ったので、塩の柱になってしまいました。」今回はここまでにします。