Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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上野の「ターナー展」

先日は東京の上野にある国立西洋美術館で開催されている「ターナー展」に行ってきました。私も家内も2013年11月25日に東京都美術館で開催された「ターナー展」に行っていて、その頃のNOTE(ブログ)を引用すると「絵画の絵画たる所以は、平面に深遠なる奥行きを感じさせ、また漂う空気は写真や影像とは異なる印象を鑑賞者に齎すものと理解しました。私は忽ちターナーの世界に入り込み、そこで新鮮な酸素を胸いっぱいに吸い込んで、光に包まれる息吹きを感じ取っていました。」とありました。今回も同じ感想を持ちましたが、前回と異なるのはターナーの晩年の作品が20世紀現代美術の走りとされている点でした。図録より引用いたします。「19世紀後半から20世紀初頭にかけて印象派が台頭するにつれ、ターナーの晩年の作風は未完成と見なされるのはなく、むしろ影響力を行使するようになった。~略~第二次世界大戦後の抽象表現主義の台頭により、19世紀当時は一般公開には不適切として一蹴されたターナーの晩年の作品や未完の色彩習作は、彼の真の創作意欲を妥協なく表現したものと称賛されるようになった。」(エリザベス・ブルック著)また別の批評家による文章も引用いたします。「ターナーの現在の名声は、後期モネのそれと同様、1950年代初頭の抽象表現主義と『アンフォルメル』絵画の勝利にさかのぼる。だが、疑いなく前衛に属する二、三の画家や批評家たちは、1940年代後半にさえ、ターナーの芸術の後期段階における閉じた形象の排除が、絵画的抽象のいくつかの特徴的な性質をさきどりしていることを認識しはじめていた。」(クレメント・グリーンバーグ著)本展ではターナーの絵画作品と並んで、その発展的表現と思われる現代美術作品が並列されていて、私は興味が尽きませんでした。とりわけ石の素材感が全面に出たリチャード・ロングの「レッド・スレート・サークル」は彫刻としても面白く、「もの派」のような空間演出が私に新鮮さを齎せてくれました。同じ部屋にある山を描いたターナーの絵画と呼応し合って、時代を超えた主張が感じられました。その他にも映像や光の演出を使ったアート作品も、ターナーが求めていたであろう次世代の表現が見事に時代を繋いでいて、本展の挑戦的な企画が明確に現れていました。

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