Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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exhibition
【日時】2024/07/15〜20
【場所】ギャラリーせいほう
相原 裕展
陶彫「発掘」シリーズXVI
ご来廊ありがとうございました。
note
上野の「モネ 睡蓮のとき」展

テレビのアート情報番組で最近よく取り上げられている印象派のモネ。国立西洋美術館では結構気合を入れて各地から集めてきたであろうモネの作品が展示されているのを目にして、そろそろ行ってみるかと思い立ちました。今日の午前中は工房で新作の古木材加工をやっていて、午後から家内と東京上野まで出かけて行きました。モネの茫洋とした微妙な色彩は、日本人好みでもあるので、「モネ 睡蓮のとき」展は平日にも関わらず、入場券売り場の外まで列ができているような混雑ぶりでした。力作が並ぶ展示室に立つと、テレビでは伝わらないオリジナル絵画の生々しい筆致があって、その色彩のさざ波に我を忘れました。旧知ながらモネと印象派の繋がりを図録より拾います。「モネはとりわけ、『印象派』という言葉が生まれるきっかけとなった第1回の美術展に、《印象、日の出》をもって参加している。1874年4月15日、画家たちのグループが、かつて写真家ナダールが使用していたパリのアトリエを会場に展覧会を開催する。~略~これらの画家たちが目指したのは、アカデミックな伝統を守るパリの大規模な官展、『サロン』の規範からの解放である。」やがてモネが睡蓮の連作に取り組む契機になった庭が登場します。「1893年2月5日、隣町のヴェルノンで、モネは自宅敷地の南側、リュ川と線路の間に位置する土地の購入証書に署名する。この土地を購入したことで、水の庭という夢が実現するのだ。モネはこの土地に池を造成し、そこに日本美術を意識した橋を架ける。1870年代から日本の版画を収集していたこともあり、日本美術を高く評価していたのである。」(シルヴィ・カルリエ著)本展はとりわけモネの睡蓮の連作に主眼が置かれていて、そこに垂れ下がる木々や植物も堪能することができました。一緒に行った家内がモネの立体感覚や空間性に着目していて、私もそこが今まで見慣れていたモネの作品に、新しい視点を見いだしたところでもあり、かなり気分が揚がりました。20代の頃、鑑賞者をぐるりと取り囲んだモネの大作をパリで見たことを思い出しました。

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