Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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影響力のある漫画家の逝去

漫画家のちばてつやさんが22日、骨髄異形成症候群のため、87歳で逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。ちばさんが描いた漫画で私が影響されたのは「あしたのジョー」でした。それまでの漫画は勧善懲悪の言うなれば単純なものでしたが、「あしたのジョー」の主人公矢吹丈は天涯孤独で、生活の底辺を彷徨っていたところをボクシングトレーナーに拾われます。犯罪に手を染めた矢吹は少年鑑別所に送られ、そこで精神鑑定を受けて少年院送致になります。少年院で出会ったのが力石徹で、漸くボクシングを通じた宿敵同士の物語が始まるというのが「あしたのジョー」の導入部でした。私が子どもの頃の漫画は、主人公が常に正義であり、最後には必ず悪を倒すのが定番でしたが、「あしたのジョー」の矢吹丈は貧困故の犯罪者であり、従来の道徳観念が通じない世界に生きていて、そのリアルな社会性が子どもの私には衝撃的であり、明日のために生きようとする飢えのような生きざまが新鮮でした。少年マガジンを読んでいた私は、少し遅れて始まったアニメーションにも夢中になりました。主題歌がテレビで流れるとワクワクしたのを思い出します。歌の作詞者に寺山修司という名があり、その心に突き刺さるコトバを書いた詩人をずっと後になって、私は知ることになります。詞のラストに「あしたはどっちだ」というフレーズがあって、結論を読者に委ねていたところが私は大好きでした。漫画やアニメが子どもだけのものではないと意識し始めたのも「あしたのジョー」からではないかと私は思っています。ちばさんは1941年に一家で旧満州(中国東北部)に移り、現地で終戦を迎え、戦争の無惨な状況を目の当たりにしていたようで、そうした戦争体験が「あしたのジョー」に反映していると作者本人が語っていました。さまざまな場面に闇があって、それがこの物語に「あしたはどっちだ」を問いかけるリアルな現実があったのだろうと私は考えます。影響力のある漫画家の逝去に、つい私も子どもの頃に夢中になった世界を思い出し、今日のNOTE(ブログ)に書かせていただきました。

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