今日の午前中は工房で陶彫制作をやっていて、午後になって家内を誘って、横浜市鴨居にあるエンターテイメント系映画館に、現在評判になっている映画「オデュッセイア」を観に行きました。ギリシャ神話に疎い私でもホメロスの名前くらいは知っていて、彼の描いたとされる英雄叙事詩を壮大なスケールで映像化したという情報を得て、これは絶対に観に行こうと決めていました。兵士を潜ませた木馬という奇策によってトロイヤを滅ぼしたオデュッセイアは、忠実な兵士たちを連れて、故郷であるイタケ島に帰還するまでの長い道のりが映画の荒筋です。そこで待つ妻に多くの求婚者が押しかけ、また父オデュッセイアの情報を得るためにスパルタに行った長男の成長も組み込まれていました。帰還では船団が使われ、食料調達に立ち寄る島々には怪物がいて、それらを智恵を駆使して乗り越えていく様子は、ヘラクレスやアキレウスのような怪物退治に長けた英雄ではなく、オデュッセイアはとても人間臭くて、ドラマとしては魅力的な解釈が成されていました。図録から物語の背景を探ると、こんな文章がありました。「『オデュッセイア』の核となるのは、古代ギリシャ文化における重要な理想と価値観を表現する二つの絡み合うテーマだ。その一つは”クセニア”(客人歓待)で、見知らぬ者でも丁寧にもてなすという慣習だ。~略~もう一つは”ノストス”(帰郷)で、これは文字通り故郷へ帰る旅路に加え、精神的に生まれ変わるプロセスも意味する。ここで言う精神的な再生プロセスとは、帰郷を果たし、欲するもの(愛する者との再会、失われた地位や富の回復、より成熟して生命にあふれる自己の形成など)を得るためには、自らの人間性を試し、あるいは作り変えるほどの試練を乗り越えなければならないというものだ。」オデュッセイアの妻の元で求婚者たちが傍若無人に飲み食いしていたのは、こうしたギリシャ特有の慣習のためだったのかと、図録を読んだ後で思いました。この映画はIMAXで撮影した情報があったので、それに応じて私たちもIMAXで観てきました。確かに画面が大きく迫力があり、非日常を楽しむには適した映画でした。