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「綺想の美術廻廊」を読み始める

「綺想の美術廻廊」(斎藤靖朗監修 芸術新聞社)は「種村季弘・異端断片集」という副題があって、ドイツ文学者種村季弘の美術に関わる言葉を集めた書籍で、嘗て種村ワールドに親しんだ私は、当時を振り返りながら本書を読むことにしました。前に読んでいた「奇想の美術館」(アルベルト・マングェル著  野中邦子訳  白水社)に続く奇想繋がりで本書を選びましたが、扱っている芸術家はまるで異なります。本書を捲ると図版が多く、そのほとんどが頽廃的な雰囲気を持つものばかりで、これはマニエリスムだなぁと思いました。私は自分が求める作風とは別に、自分とは正反対に位置する世界に惹かれてしまう傾向があります。学生時代に幾つかのアンダーグラウンド演劇に通っていた頃を思い出すのです。さらに海外生活にあってもウィーン幻想絵画に興味関心がありました。私には情念やエロスを表現することは到底無理で、自分の中にないものをねだっている子どもの感覚に近いのかもしれません。本書の序にあった文章から引用いたします。「種村が文章を執筆するうえでその理論的支柱のひとつとしたのが、グスタフ・ルネ・ホッケのマニエリスム論です。マニエリスムは、本来はルネサンスとバロックの間に生まれた極度に技巧的・作為的な芸術様式を指す言葉です。しかし、ホッケは師のE・R・クルツィウスの研究を継承し、『古典的=アッチカ風、調和的、保守的。マニエリスム的=アジア風、ヘレニズム風、非調和的、近代的』というような、古典主義と対になる概念としてマニエリスムを定義し、さらにヨーロッパの文化が両者の緊張関係のなかで形成されてきたことを明らかにしました。~略~本書は二つのパートに分かれています。前半は『吸血鬼』『化身』『怪物』『魔術』という四つの章で構成しました。~略~後半では種村が生前親交のあった作家たちに残した言葉を紹介します。」(斎藤靖朗著)前半の図版に添えられた文章は、凝縮した詩的な語彙が並んでいて、理解が覚束ないものもありますが、気に留まった箇所を選んでNOTE(ブログ)に書いていきます。

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