Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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見慣れたゴッホの絵
中学時代に知ったゴッホの絵画。うねるようなタッチに魅了され、それを真似ると劇画のようになってしまい、私はついぞ自分の絵が気に入ることはありませんでした。それでもゴッホの骨太のデッサンが大好きでした。高校に入って油絵を描き始めた頃には、私はもうゴッホを卒業していましたが、フォーヴィズムやキュービズムや表現派に心酔していても、ゴッホには親近感を持っていました。20代後半ヨーロッパに暮らすようになって、アムステルダムにあるゴッホ美術館に行ってきました。昔慣れ親しんだ絵画やデッサンの数々を見て、懐かしい人に会えたような気がしました。自分の精神状態がまだ幼かった頃の香りがしました。ゴッホの絵画史に残る斬新な表現や精神性の深さは知識として、また感覚としてわかっていても、自分の辿った美術の道と照らし合わせると、自分の拙い中学時代が甦ってくるようでした。Yutaka Aihara.com