Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

映画「爆弾」雑感
ロングラン上映を続けている映画「爆弾」が気になり、家内と相談して今日の夕方、横浜の鴨居にあるエンターテイメント系映画館に出かけました。長く上映しているので流石に観客は少ないだろうと思っていましたが、結構人が入っていて、私たちと同じようにちょっと観てみようと思った人が意外に多かったのだろうと思いました。観終わった感想は、ロングラン上映を続けている理由が分かるほど面白い内容でした。酔った勢いでコンビニの器物破損や店員に暴力をふるって警察に連行された男。その男はホームレス風でうだつの上がらない風体をしていますが、取調室での警察官とのやり取りで、自分には霊感があると言って、都内の爆破予言をして、それが的中してしまいます。彼は次から次へと爆破予言をしつつ、刑事たちの問いかけをかわし、謎めいたクイズを出して、警察を翻弄し、それを楽しんでいるような素振りを見せるのです。その裏には何があるのか、一筋縄ではいかない状況に、取り調べを受けている男と、そこに食らいつく頭脳明晰な刑事との丁々発止なやり取りが、本作の見どころかなぁと思いました。都内の爆破シーンはリアルそのもので、日本映画の演出技術にも驚きましたが、爆破後の悲惨な情景もしっかり描いていました。事件の真相を追う一方で、爆弾を仕掛けた愉快犯による犯行が、もしも映画のように実行されたら、日本の都会はこんなにも脆く崩れ去るものなんだと私は感じ入ってしまいました。次第に事件の全貌が解明されていきますが、取調室の異常な心理戦は現代社会の病巣を暗黙の裡に示しているようで、私はぞっとしてしまいました。それにしても爆破予告をする佐藤二朗のとぼけた凄みのある演技と、彼と真っ向から対峙する捜査一課刑事役の山田裕貴の尋常でない取り調べが、濃密な時間を醸し出していて、本作を観終わった後も私はその楽しさを味わっていました。一緒に行った家内も面白かったと車の中で言っていました。