2006.09.23
ウィーンの街の中心にシュテファンス寺院があります。目抜き通りであるケルントナーとグラーベンが交差する広場にあるゴシック様式の立派な寺院で、まさにウィーンのシンボルです。そのシュテファンス寺院の地下に墓地があって、一般公開していました。中世にペストが流行し、病死した人々を地下に葬ったらしく、多くのしゃれこうべが放置してありました。自分はとくに興味を持ったわけではないのですが、日本から来た人を案内して度々そのカタコンベに行きました。何回か見ているうち不気味さが消え、その空間が胎内であるような、また生まれ変わっていけるような錯覚を覚えていました。その時から地下に魅力を感じ、それが自分の造形に地下的な要素を考えさせた契機になっているのかもしれません。