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「ツァラトストラかく語りき」読後感
「ツァラトストラかく語りき」(ニーチェ著 竹山道雄訳 新潮社)下巻を読み終えました。本書は上巻・下巻に分かれ、4部構成からなる大著です。ニーチェ晩年の思想が述べられていますが、ニーチェの生涯で精神を病んでから執筆活動をしなくなる最晩年があるので、本書はそれまでの間に書かれたニーチェ哲学の集大成に位置づけられる著作と言えます。ニーチェの著作に飛翔せんとする勢いのあるパワーを感じるのは私だけでしょうか。詩を散りばめた本書にも縦横無尽に疾走するニーチェ独特の哲学があると思います。それにしてもニーチェのパワーはともかく、内容は理解困難な箇所がたくさんありました。訳者の解説にも?がついている箇所があり、ニーチェ存命当時の細かな状況を知り得なければ翻訳不可能なところもあったのだろうと思います。でも面白さは伝わりました。一部の文面にハッとさせられる輝きがありました。永劫(永遠)回帰は、本書だけでは理解できず、別の解説書に頼りました。こうした思想がどこから生まれ、そもそも意図するものは何なのか、詩情溢れる本書からこれを読み取ることは自分には出来ませんでした。本書は比喩も多く、場面場面で登場する魔術師や法王や驢馬などは何かを例えている存在であって、それらを読み取っていく洞察力も必要でした。本書を再読する機会は訪れるでしょうか。ニーチェ哲学に拘りがあれば、あるいはもう一度チャレンジするかもしれません。その時まで書棚に眠らせておこうと思います。