Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

「善財童子立像」の印象
上野の東京国立博物館で開催中の「日本国宝展」では印象に残った作品が多く、まず何を取上げようか迷いましたが、最後の部屋に展示されていた快慶による仏像を取上げることにしました。善財童子立像と仏陀波利立像の彩色木彫の2点です。そのうち振り向きながら合掌する善財童子立像が、何とも愛らしくて好きになりました。平成25年に国宝に指定されたようで、彫刻分野では最も新しい国宝です。奈良県の安部文殊院が蔵している仏像ですが、特徴的なフォルムであるためポスターに採用されています。快慶と言えば鎌倉時代を代表する彫刻家で、その具象表現は西欧彫刻にも通じ、自分が仏像彫刻理解の第一歩として崇めた一人です。仏像の表情や筋肉のつき方が彫塑を学ぶ学生に分かり易かったし、鎌倉時代の仏像はバロックにも似た要素があって親しみを感じていました。日本人でありながら大学での彫刻実習は西欧の具象表現を学ぶことにあって、仏像は西欧彫刻の後にやってきた自主研究のようなモノなのです。だから善財童子立像や仏陀波利立像の内に西欧を見取って親しみを感じるというわけです。善財童子立像の愛らしさが印象に残ったのも、或いは自分の造形キャリアから由来すると言っても過言ではないと思います。