2014.12.08
既に橫浜では終わっている展覧会を取り挙げて恐縮ですが、先日立ち寄ったデパートで開催していたムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの画歴を展望する展覧会は、大変面白く楽しいものでした。日本人はキャラクター好きな国民です。ドラえもんやピカチューや妖怪ウォッチ、ハローキティやご当地ゆるキャラ等数え上げればキリがありません。外国のキャラは圧倒的にディズニーですが、そんな中でムーミンは北欧出身のちょっと風変わりなキャラと言えます。作者のトーベ・ヤンソンは画家です。ムーミンの原作者として世界的に知られるようになりましたが、本人は画家でありたいと願い、絵画による個展も開催しています。今回の展覧会で画業が紹介されていて、ヤンソンの画風は物語性のある色彩豊かな具象を示して、画家としても才能を感じさせるものでした。第二次大戦中に政治風刺雑誌「ガルム」に寄せたヤンソンの挿絵に自分は興味を持ちました。ファシズムに対する批判をイラストにしたところで、やがてムーミンの原型ムーミントロールが生まれます。愛らしいキャラとして親しまれているムーミンですが、その誕生には戦争の影があったり、北欧の神秘性が宿っていたりして、日本のキャラとは異なる精神風土によって育まれたキャラであることが分かりました。そうした背景を知ることでムーミンの世界観が変わって見えてきます。異文化理解を促された意味でも今回の展覧会を見た意義は大きかったと思いました。