2017.02.23
昨年3月末をもって横浜市公務員を退職した私は、再任用として退職前と変わらぬ立場や職場で仕事に精を出しています。ほとんど退職した実感がない私ですが、永年勤続退職者旅行引換券があって、引換期間が迫っていると家内が言ってきました。これを使って退職祝いをしようと言うのです。どこか温泉でも行って美味しいものを食べて…と家内は新聞に入ってくる折込チラシを見ていました。私は職場では解決しなければならない課題を抱え、創作活動では今年の夏に企画していただいている個展に向けて身を削る思いをしているので、自分の退職祝いなどまるで頭になく、温泉に行くなら工房で制作に没頭していたいと考えていました。でも、創作活動に活を入れるためなら一泊くらいの旅行をしてもいいんじゃないかと思いなおし、再訪するならどこの美術館がいいか考えました。結果は自分でも分かっていて、それは香川県高松市牟礼にある「イサム・ノグチ庭園美術館」なのです。自分の美術館ランキングでは断然1位です。もちろん世界にはルーヴル美術館やバチカン美術館等、所蔵作品の凄さでは比類のない美術館が数多くあります。当然それら綺羅星の如く輝く美術館群と比較出来ませんが、自分の創造世界を広げ、精神性を植えつけてくれた巡礼の地が「イサム・ノグチ庭園美術館」でした。温泉ではなくビジネスホテルで結構、ともかく牟礼に行きたいと家内に言ったら、仕方ないという顔をして来月後半の週末の飛行機を予約してきました。俄かにざわめきだす自分の心に、随分前に「イサム・ノグチ庭園美術館」を訪ねた記憶を頼りに、今では多少キャリアが出来た自分の彫刻家人生をそこで振り返ってみようと思っています。