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note

「錬金術師の実験室」について
ここ数日は京橋のアーティゾン美術館で開催中の「ブランクーシ展」についてNOTE(ブログ)に書いています。展示作品のほとんどすべてがロンサン小路のアトリエで作られたものであり、そこでブランクーシ自身が自作の撮影もしていました。表題にある「錬金術師の実験室」とは図録の文中にあったブランクーシのアトリエを例えたものです。「芸術家のアトリエは、概してその実践を説き明かすものであるが、同時に芸術的なプロフィールと探究も伝える。ロンサン小路にあったブランクーシのアトリエは、1916年以降、その制作の基盤として、我らが知る傑作の大半はそこから生まれている。このアトリエはまた、パリにおいてブランクーシの友人やコレクターたち(その大半はアメリカ人であった)が彼の作品を目にすることのできる唯一の場所でもあった。~略~高い天井と天窓から真っ直ぐに降り注ぐ光が来訪者の心を捉えたようで、マン・レイはこのアトリエを訪れた経験を、『いかなる聖堂よりも印象的であった』とし、『その白さと光に目が眩むほどであった』と述べている。~略~このアトリエを訪れた人の誰もが、超現実に接した、何か魔術的な雰囲気を経験したのである。マン・レイは、『ブランクーシのアトリエに行くことは、別世界に入るかのようであった』と書いている。その空間は神秘的な探求の源泉として、ほとんど錬金術師の実験室のように描出されている。~略~ロンサン小路に移り住んだ際、ブランクーシは自身の作品とアトリエ内でのその配置を記録するようになる。彼は写真家としての訓練を、まず友人であったエドワード・スタイケンから、次いでマン・レイから受けた。そのアトリエを撮影した写真から得られる事柄は多く、たとえば、写真の大半において台座が含まれていないという事実は、ブランクーシの中で作品と台座が一体をなすという見方を是正する。」(引用は全てジェローム・ヌートル著)ブランクーシは作品のみならず、その人柄の特徴も写真には現れていて、現在私が使っているアナログとデジタルをいう表現を、ブランクーシは当時から使っていたことになります。私が興味が尽きないのはそんなところにあるのだろうと思っています。