2025.07.25
「芸術家列伝2」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 平川祐弘・小谷年司訳)に今日から入ります。本書の「ボッティチェㇽリ」について、気に留まった箇所をピックアップいたします。「(ボッティチェㇽリは)フィレンツェ市中のさまざまな邸のために自分の手で円い絵を作り、また裸の婦人像もかなりたくさん作ったが、そのなかの二枚の作品が今日でもコージモ公の別荘であるカステㇽロに伝わっている。その一枚は『ヴィナスの誕生』で、微風にはこばれてヴィナスがキューピッドたちとともに海辺へ着くところであり、他の一枚は、ヴィナスが美の三女神によって花の冠を授けられているところの絵で『春』を表わしている。この二つの作品は彼の手でまことに生き生きと優雅に描かれている。」私は20代の頃、フィレンツェにあるウフィツィ美術館でこの絵を見て、感動を覚えたのを記憶しています。また教職に就いていた頃は、美術鑑賞の授業で必ず取り上げて、生徒に説明していました。本書ではさらに「三王礼拝(マギの礼拝)」に触れた箇所がありました。「サンドロ(ボッティチェㇽリ)がその絵に登場する諸人物の顔をどれほど美しく描いたかは筆舌につくしがたいほどで、その顔はさまざまな態度を示している。あるいは正面を向き、あるいは横顔を示し、あるいは四分の三むこうを向き、あるいは顔を下へ向け、また老若に応じてさまざまな態度を示しているが、どれもこれも彼の腕前のすばらしさのほどを見る人に感じさせずにはおかないような工夫の数々であった。三人の王の宮廷の人々はそれぞれ区別して描かれているので、誰がどの王に仕える人であるかはっきりと理解される。色彩という点からも、デッサンという点からも、構図という点からも、たしかに驚嘆すべき作品で、実に見事な出来ばえであったから、今日でも画家たちはその前へ来るとみな感心して足をとめてしまうほどである。」今回はここまでにします。