2025.02.17
「密教」(正木晃著 筑摩書房)の「第四章 修業と秘儀から考える日本密教」の中の単元「五字厳身観と五相成身観」について気になった箇所をピックアップします。「五字厳身観は、『大日経』にもとづく胎蔵系の瞑想法(観法)である。~略~日本密教の伝統では、~略~五大を、それぞれ地=肝臓・水=肺臓・火=心臓・風=腎臓・空=脾臓に当てはめる考え方もあらわれた。~略~修行者は、自分が、地輪・水輪・火輪・風輪・空輪を下から上に積み上げたかたちの、巨大なストゥーパに変容し、広大な宇宙空間にそびえ立っていると瞑想する。このストゥーパは、その内部に宇宙の根源的な起動因をすべて含んでいるから、宇宙そのものともいえる。理屈ではなく、そう実感したとき、修行者は、自分こそが大日如来なのだという密教究極の真理を悟るのである。」次に五相成身観です。「五相成身観は、『真実摂経(金剛頂経)』を典拠とする瞑想法である。」この実践を記してみます。「五相成身観のときに両手にむすぶ印は、法界定印をもちいる。瞑想状態にあることを象徴する印である。第一段階の『通達菩提心』では、修行者は、自分の心を観察しつつ、瞑想に入る。次に『オーム チッタプ ラティヴェドゥハム カロミ(オーム 私は悟りを求める心を究める)』という真言を唱える。~略~第二段階の『修菩提心』では、修行者は『オーム ボーディチッタム ウトパーダヤーミ(オーム 私は悟りを求める心を発する)』という真言を唱える。この真言の力によって、真実を知るための智恵を増大させる。~略~第三段階の『成金剛心』では、修行者は『オーム ティシュタ ヴァシュラ(オーム 汝《本尊》よ 立ち上がれ』という真言を唱える。~略~第四段階の『証金剛心』では、修行者は、『オーム ヴァジュラートゥマコ ハム(オーム 私は金剛《ダイアモンド》の身体をもつ』という真言を唱える。この真言の力によって、月輪のなかの五鈷金剛杵をさらにさらに堅固なものにする。~略~第五段階の『仏身円満』では、修行者は、『オーム ヤター サルヴァタターガタースタターハム(オーム ありとあらゆる如来たちと同一の状態に、私は入っている)』という真言を唱え、この真言の力によって、この修業を完成させる。」今回はここまでにします。