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「魔術的芸術」序論
シュルレアリスムの思想家アンドレ・ブルトンの「魔術的芸術」は、当時限定出版された豪華本で、なかなか手に入りにくい書物だったようです。全訳されたものが2002年に日本で出版されたので購入しました。本書は、太古から現代まで定着した美術史として網羅されてきた芸術作品を、独自の「魔術的」視点から、もう一度構築し直す内容になっています。その規模や見解からいって、本書はそう容易く読めるものではなく、今は序論としての「魔術的芸術」の単元をじっくり読み込んでいるところです。現代でこそ注目されている芸術作品は、少し前まで美術史の通念から大きく取り上げられることはなく、「魔術的芸術」の中で発掘され、評価を与えられていて、こうした多様な視点があったればこそ、現在に通じる芸術作品の価値判断が生まれたのだということを思い知らされています。読み進むほどますます面白くなる「美術史新解釈」は、今年の夏のマイブームになっていて、人に邪魔されない時間にとつおいつ読んでいます。