Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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西欧の古都に思いを馳せる
最近テレビのBS番組で、海外の街の様子を紹介する番組が数多くあります。自分も1980年から85年までの5年間をドイツ・オーストリアで過ごしているので、西欧の古都には特別な思いがあります。煉瓦や石で構築された街は、狭い路地裏にも情緒があって散策が楽しかったことを思い出します。この頃は現在と違って時間が沢山ありました。毎日夕方になると市街を歩いていました。自分が最初に住んだドイツ・バイエルン地方の小さな街は、山々が連なり、湖があって絵本の世界のような美しさでした。山荘風の家々のベランダには色とりどりの花があって緑があふれていました。次に長く住んだオーストリアの首都ウィーンは、ハプスブルグ家の帝国時代の遺産に囲まれた古都でした。旧市街を散歩していると鍛冶屋の様子がウィンドゥ越しに見えて、自分はいつも散策の途中に立ち寄っていました。同時にオットー・ワーグナーの20世紀初頭に作られた華麗でモダンな建物にも注目していました。自分が学生として登録していたウィーン美術アカデミーは環状道路沿いにある装飾のついた古い建物でした。アカデミーの石造りの廊下にはカマボコ型の大きな窓があり、制作の場になっているマイスタークラスには重い木製の扉を開けて入っていきました。自分の生育とは異質な文化を噛み締めながら、そこで毎日を過ごしていました。近い将来、再び西欧に行って古都を散策したい願いがあります。テレビを見ていると、今度は南欧のイタリアやスペインに行きたいと思います。彼の地の美術学校はどんな学生が学んでいるのか、興味が尽きないところです。