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西洋の没落 第二巻へ…
「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)の第一巻を読み終えて、第二巻へ突入しています。第一巻ではギリシャ・ローマ文化のアポルロン的魂と西洋文化のファウスト的魂、それに東方のマギ的魂を加えた3本の柱を中心にした広義に亘る哲学的な洞察が展開していました。自分はとりわけ造形美術の論理に過敏に反応し、ルネサンスやバロック、ゴシックの捉えを考え直す契機になりました。第二巻では「起源と土地と」「都市と民族と」「アラビヤ文化の諸問題」「国家」「経済生活の形式界」の章があります。今年の夏は「西洋の没落」第二巻の読破を目標にやっていきたいと思います。実を言えば「西洋の没落」は若い頃から書棚に仕舞い込んでいた書物で、今まで2回チャレンジし、途中で放棄してしまった経緯があります。第二巻に進むのは3回目にして初めてのことです。シュペングラーが再三引用しているゲーテ、カント、ニーチェら西洋の学問体系を構築した文豪にも興味が沸きます。それら人物の成し得た功績の概略しか知らない自分は、少なくとも代表作くらいは読んでおきたいと思っていますが、先日他界した量義冶叔父はカント哲学を専門とする学者でした。叔父の著したカント哲学の書物が自宅にありますが、その難解さに幾度となく辟易して、これも「西洋の没落」同様に書棚の埃に塗れています。専門書に手を出すのは、よほどのことがない限りやめておこうと思った次第です。平易に書かれた書物があれば、それで西洋の学問体系を一応押さえておきたいと、その程度で考えることにしました。ともあれ「西洋の没落」第二巻をじっくり読んでいきたいと思います。