2014.05.21
自分は常に読みかけの書物を携帯しています。公務員になってから通勤の車中に読書時間が限られていますが、それでも永年勤続の間に読書を通じて、さまざまな世界に接することが出来ています。その契機となった時のことを今でも覚えています。それは40数年前の中学生時代に遡ります。それまで私は児童向けの書物に何気なく親しんでいましたが、書店で「変身」という題名のある文庫本を手にしました。カフカという作家名にも不思議なものを感じました。その1行目に、朝目覚めると突如として虫になった男のことがあってギョっとしました。買って読んでみると、これが中学生にとっては難解極まりなく四苦八苦しながら、後載の解説を頼りに3分の1程度の理解をもって読破しました。折しも中学校で課せられた読書感想文に「変身」の感想をまとめました。担任教諭がこれは兄姉が読んだものを本人が感想文にしたものだろうと言っていたことを後で知らされ、心中穏やかでなくなりました。抗議こそしなかったものの、その悔しさがバネになって爆発的な読書習慣が始まりました。志を同じくする親友が出来て、競うように海外の推理小説を読み漁りました。創元推理文庫全巻読破が親友と交わしたマニュフェストになりました。高校で純文学、評論、随筆、詩歌と幅を広げ、おまけに自分は偏った趣向になって現在に至っている、そんなことを今日は思い出しました。