Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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7月RECORDは「螺旋の風景」
通勤中に読んでいる「ヨーロッパの形 螺旋の文化史」(篠田知和基著 八坂書房)に影響されて、今月のRECORDは「螺旋の風景」というテーマにしてみました。螺旋や渦巻きは私の大好きなカタチで、RECORDにも度々登場しています。今月は設定を変えて螺旋や渦巻きばかりを毎日描いてみようと思っていて、飽きないようにあの手この手を考えているところです。螺旋や渦巻きはまとまりやすいカタチです。中心に向かっていくカタチは安定を与えてくれるからです。中心が失われると心理的な不安要素が出てきます。敢えて不安を掻き立てることを狙いとする芸術作品も多くあり、むしろその方が深遠な世界が覗けるとも考えられます。螺旋は上昇するカタチで、中世の絵画でテーマになっているバベルの塔もそのひとつです。「ヨーロッパの形 螺旋の文化史」に出てくるさまざまな螺旋形態を自作の中に取り込んで作品化できるといいなぁと思っています。動物が成長していく過程で、骨や筋肉などに捻りが見受けられます。人間は螺旋を描きながら成長すると学生時代の彫塑実習で教わりました。植物も同様で、よく観察すると茎や葉に捻りが見られます。まっすぐ天に向かって伸びていく植物もありますが、捻ったカタチが美しいと感じるのは私だけでしょうか。RECORDは陶彫制作のスケジュールが厳しくなったり、個展の準備が立て込んだりすると、忽ち影響を受けてしまいます。一日1点ずつポストカード大の平面作品を仕上げていく作業は、実は大変辛いものであり、その日の気持ちの持ち方や体調によっても左右されます。それを10年以上もやってきましたが、意地でも継続していこうとする意志が芽生え、RECORDは私のライフワークになっています。旅行にもRECORD用紙を携帯しています。