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三連休 新作陶彫最後の窯入れ
三連休の最終日です。今日は朝から雨交じりで相変わらず寒い一日でした。今日は作業終了時の夕方になって窯入れをしました。今夏、東京銀座で発表する大規模作品には、全体構成の結果、4点ほど追加作品が必要になって、それを手間暇をかけて作り続けていましたが、その4点というのは下の段になる陶彫部品と上に積み重なる陶彫部品が2セット必要になったという意味でした。下の段になる大きめな陶彫部品2点は、既に焼成が終わって出来上がっています。今日は上の段になる陶彫部品2点に仕上げをし、化粧掛けを施して窯に入れました。これで新作の陶彫部品は全て出来上がるはずです。ただし、焼成は何があるか分からないので、無事に窯から出てくるまでは完了とは言えません。これがうまくいけば再度全体構成をして、陶彫の部分だけは最終確認していきたいと思っています。先日、「美の壺」というテレビ番組で庭園のことを取り上げていました。重森三玲の現代彫刻のような庭園や伝統に裏づけされた茶の湯の庭園について、心底楽しみながらテレビを見ていましたが、身近では亡父が造園を生業としていたこともあって、父に教え込まれた庭園の概念が私の頭を過ぎりました。当時、私は半端な職人気取りでいましたが、自然石や木々によって空間を演出し、そこに自然の在り方を示す独特な日本庭園の解釈を今一度思い出していました。石の姿態を見てどうして欲しいか、木はどうあって欲しいか、その自然素材の問いかけを聴き取り、それらを生かす空間演出に、日本独自の庭園美があると思います。私がやっている空間演出は、あくまでも西洋の彫刻であって、庭園とは異なる概念がありますが、素材を生かすというところは共通するものがあるのではないかと思っています。土を窯で焚くのは素材を生かす方法のひとつだろうと思います。隅々まで自らの意思で彫刻する西洋と、私の陶彫の考え方は若干違うようにも感じています。そんなことを考えながら今日は新作最後の窯入れをいたしました。