Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 遊戯性のある配置を考える
日曜日は創作活動について書きます。現在作っている陶彫立方体は、まだ計画した数量が揃いませんが、完成を予想してこれら陶彫立方体をどう並べたり、また積んだりしていこうか、図録のデザインとして思案中です。数多い陶彫立方体で大樹を囲み、あたかも城壁のように積むことを最初に思い立ちましたが、また場所を変えて草叢に点在させてみると出土品が発掘されているような景色にもなります。段差のあるところに置けば、雛段のようにもなり、また迷路のように並べるとその遊戯性が強調されて、かなり楽しいかなぁとも思います。亡父が残してくれた植木畑は、この季節になって木々に青葉若葉が繁り、雑草も蔓延っていますが、写真で撮影すると心地よい雰囲気が出てくるように思えます。毎年植木畑の草刈りをしてくれる人が、今年はいつから草刈りをするのかと聞いてきましたが、来月の図録用撮影日まで草刈りを待ってもらうようにお願いしました。雑草の緑色も陶彫立方体に彩りを加えるポイントになるからです。工房は濃いグレーの壁面で覆われた建物ですが、この壁面の前に陶彫立方体を積み上げると、壁面との色彩が微妙な変化を齎せて、良い雰囲気が出ることを発見しました。今回の図録の表紙はこれでいこうかと考えています。まだまだ陶彫立方体を使って、楽しい画像が出来そうですが、制作の合間に追々考えていこうと思います。彫刻は空間の芸術ですが、こうした風景を取り込んだ工夫も、その醍醐味のひとつです。日々行っている苦しい作業の中で、 遊戯性のある配置を考えるのは、その時の気分を変えられる楽しいひと時でもあるのです。