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新聞記事より「まずおれが面白くなきゃナ!」
昨日の朝日新聞「折々のことば」より、記事内容を取り上げます。「ほかのヤツがよろこぶために絵なんて描けるか。まずはおれが面白くなきゃナ!篠原勝之」この言葉に著者の鷲田精一氏がコメントを寄せています。「巨大な絵を描く。溶接する。好きなことしかしないというゲージツ家は、生きることがすでに『趣味』だと言い放つ。周りを見れば、小銭稼ぎに汲々とし『自分で面白がる方法を知らないばかりか、人を面白くなくするバカタレ』ばかりだとも。貧しくとも心優しく、かつ『生ツバをのむ』ような生き方をしてきたから、こんな放言も憎めない。『人生はデーヤモンド』から。」ゲージツ家篠原勝之氏は、テレビのバラエティ番組に出演していて、その名を知りました。独特な風貌と物言いだったため、私は当初彼はアートをネタにしたタレントと思っていました。鉄の制作現場にもテレビ取材が入っていましたが、彼は突然テレビに出なくなり、今は何をしているのだろうと思っていました。新聞記事に掲載されたことが契機になって、私はゲージツ家篠原勝之氏のことを調べてみました。創作活動にも専念していて、食うや食わずの日々もあったのだろうと察しています。ゲージツを作っていて、自分で面白がることがあっても売れる保証はなく、それでも自分の一貫した主張を曲げずに生きている人なんだと改めて思いました。テレビに出演する前は唐十郎率いる状況劇場の舞台美術をやっていたようで、その清濁併せ飲んだドギツイ装置を私は覚えていました。書籍執筆もあって、その生き方に共感する人もいたのだろうと思います。あの頃のエネルギッシュな風潮を思い出した新聞記事でした。