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虎ノ門の「走泥社再考」展(前半)
昨日、家内を誘って東京都港区虎ノ門にある菊池寛実記念 智美術館で開催していた「走泥社再考」展に行ってきました。「走泥社」は1948年に京都で結成された造形集団で、陶によるオブジェという新たな表現を世間に広めたことはよく知られていて、私も折に触れて「走泥社」同人の作品を鑑賞してきました。展覧会場の受付で、同展は前後半に分けて展示される旨を教えられ、私は両方見たいので共通券を購入しました。後半部分はまた鑑賞後にNOTE(ブログ)にアップいたします。展示作品は既に見たことがある作品も多く、改めて見直した次第です。昨日のNOTE(ブログ)に私は陶によるオブジェは陶彫の起源と書きましたが、図録を読んでいくと、陶彫とのニュアンスの違いが述べられていて、私の理解が些か雑駁であったことを反省しました。「走泥社30周年の記念誌に乾由明は『私的走泥社論』を書いている。その中で乾は『純然たる陶芸家ばかりによるアヴァンギャルドの運動としては、これが最初であった(中略)既存の彫刻への追従をいさぎよしとせず、そうかといってもちろん伝統的な陶磁器の制作をも拒否する彼らにとって、とるべき道は、まず何よりも一度土そのものに還帰し、土自体のもつ特性の中から、それに密着した形体と表現を見出すことであった。それは土と人間との、素朴で原初的なかかわり合いをつうじて、やきものの仕事を考えてゆこうとする態度である』と述べている。~略~彫刻家の辻晋堂さんやイサム・ノグチさんも土の造形を試みたが、これはあくまでも陶彫。~略~八木一夫の《ザムザ氏の散歩》(1954年)は、轆轤で成形した円環と複数の円筒形とが組み合わさったもので条痕釉と呼ばれる灰釉が掛けられている。この作品は現在では陶によるオブジェの記念碑的作品として評価されており、戦後の日本陶芸(美術)を語る上で不可欠な作品であるとして国内外で認められている。」(大長智広著)陶によるオブジェは、陶芸家として実用性のあるモノを作っていた人たちが始めた斬新な造形で、彫刻家が素材として陶を選んだ場合とは、同じ造形であってもニュアンスが異なることが私にも理解できました。私は彫刻家として陶を選んでいるので、陶によるオブジェではなく、それは陶彫に当たるわけです。それでも非実用なオブジェを作り始めた「走泥社」を私は今も変わらず評価しているのです。