2025.06.17
栃木県益子町にある明智鉱業へ先週金曜日にFAXで注文していた陶土800㎏が、今日届きました。昨年も同じ時期に注文していたことがNOTE(ブログ)を見ると分かります。「今日の昼頃、栃木県益子町にある明智鉱業から陶土800㎏が工房に届きました。これは種類の異なる陶土全部の重量ですが、当然来年作る陶彫の分も含まれています。作品の素材が陶彫である以上、陶土は絶対に必要なもので、現在焼成された陶彫作品に達するまでは、さまざまな陶土を混合し、自分のイメージと立体に立ち上げた時の強度を得るために実験を繰り返してきました。」これは昨年6月22日に記録したNOTE(ブログ)で、1年間で陶土800㎏を使い切った状況が見て取れます。種類の異なる陶土というのは、私の場合は複数種の陶土に対し、割合を決めて土練機にかけて混合した土を作ります。それも完全に混ざるまで計4回を土練機に通します。その後、手で菊練りをして小さくまとめてビニールで包みます。陶芸は勿論そうですが、彫刻でも素材を大切に扱うことにしていて、とりわけ放置できる木材や石材に比べると、土は常に気にかけていないと成形が難しくなります。土は可塑性があるので成形や彫り込み加飾は容易ではあるけれども、最後に焼成という制作工程が控えているので、そこで失敗しないために成形の段階から工夫が必要です。私は若い頃にヨーロッパにいて、そこで開催されていた日本の陶芸展に魅せられました。陶土の種類、釉薬の種類の豊富さと、ざっくりした土肌の美しさに、自国の伝統文化の素晴らしさに気づかされたのでした。そこで学んでいたのは西洋の彫刻の概念でしたが、日本の陶土をどう彫刻に生かすか、ヨーロッパに来る前に日本で見た陶彫作品を思い出し、そこに自分を賭けてみようと思ったのでした。素材の実験は、実際に栃木県益子町に出かけていって、明智鉱業であれこれ陶土や釉薬を吟味することから始まりました。隣県の笠間に陶芸家の友人がいたおかげで、試作は自由に行えました。窯による焼成もそこで学びました。明智鉱業は当時からの付き合いで、毎年陶土を送ってもらうのが習慣になっているのです。